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広報のスペシャリストになるために

ニュースから学ぶ【2008/11/4】
大手食品会社の事故に学ぶ広報力の低下

 最近、また食品会社で事故が起きています。
いずれの件も公表の遅れと消費者目線での対応の欠如が気になります。
公表が遅れる理由は、なんでしょう。
社内の政治力、保身、隠匿体質・・・など社内の都合がいろいろあるでしょう。

 伊藤ハムでは、現場の状況が上層部に上がり公表に至るまで、約1ヶ月かかっています。結局1ヶ月の工場停止に追い込まれているわけですから、現場の担当者が早めに報告すれば、事態は早く終息したかもしれません。
 常々広報は社内対応が肝要であるとお伝えしています。
社内の情報収集は、単に社内報や新製品の発表のためだけではなく、社内の危機を察知する、社内の風通しを良くするという大きな役割があります。
縦割りの色が濃い会社では、広報こそがその横串を通す役割を担うべきでしょうし、全体を見回して問題を察知しなくてはなりません。

 また、消費者視点が欠如した対応にも疑問を感じます。
 日清食品は、消費者の購入後の商品保管状態の問題を原因とし、結果、有害物質が容器を通して入り込んだと結論づけています。これらは製造時から想定されていない原因だったのでしょうか?また、消費者窓口への20件以上の苦情が数ヶ月溜まっていたとも報道されています。この数字は広報として放置できる数なのでしょうか?
 社会からの評価を察知し社内にしらしめる役割を持つ広報担当者として、不祥事が起きた際の自社の対応が間違っていないのか…見極める必要があると思います。もし、それが消費者目線でない対応であったら、上層部とかけあってでも消費者が納得する対応をとるべきだと主張していく役割こそ広報の仕事だと思います。

 事故を起こした会社は、広報が機能していなかったということだけでは片づけられないでしょう。しかし、風通しの良い会社を形成する根幹の役割を担っている広報担当者が社内に目を光らせ、啓蒙し続けていたら…、また、消費者として納得行く対応を会社が取るよう広報担当者が死にものぐるいで戦ったら…、少なくとも事故商品を消費者の口に届けることはなかったのではないでしょうか。

 こうしてみると広報が機能してない会社は、経営陣に危機管理意識がないと評価されても仕方ないでしょう。