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メディア動向【2009/12/11】
「毎日新聞、共同通信・加盟社と包括提携」が及ぼす影響

 毎日新聞社、共同通信、共同加盟社が包括提携しました。その会見で毎日新聞社朝比奈社長は、「官公庁や企業などの発表記事で共同通信を活用することにより、これまで以上に独自に深みのある取材をすることが可能」となり、「新聞はより深い内容、分析・解説力がこれまで以上に要求される」と、時代に即した提携だと仰っています。
 そこで、厳しいメディア環境からの脱却を目指す本件が、広報業務、企業にとってどのような影響があるか考えてみたいと思います。

 まず、上記の朝比奈社長の言葉にあるように、企業からの発表記事には毎日新聞記者は関わらなくなり、共同通信の記事を活用するのです。つまりストレート記事を望む企業発表の一時窓口は、共同通信の記者となります。とはいえ、そもそも共同通信には民間企業担当記者がそれほど多くありません。今後、記者への接触はさらに難しくなることが予想されます。ただし、毎日新聞にも民間企業をみている記者がいなくなるわけではなく、調査報道や解説記事は継続されますので、情報提供を止めてはいけません。

 また、毎日新聞は新聞の発行部数では苦戦しているものの、ヤフートピックス掲載に一番近いクオリティ・メディアとして広報界では注目されています。ヤフーとの関係が変わらなければ、毎日新聞記者に報道してもらうための競争は激しさを増すはずです。もちろん、リリースを渡すだけの広報では全く太刀打ちできなくなるでしょう。企画力、クリエイティビティを駆使し、記者が納得し社会への影響を計算した本来の広報活動がより必要不可欠になります。

 昨今のメディア環境の変化は、否応なしに今までの記者や編集者と広報担当者との関係にも影響を及ぼします。毎日新聞社が共同通信に再加盟する2010年4月までに、更なる検討すべき課題が出てくる可能性がないとは言えません。企業広報も、将来を見据えた提携と前向きに捉え、この変化に対応していかなくてはなりません。(佐藤)